ぐらぐら
揺れている。不安定な状態が解けない。
家に帰っても、緊張感が解けないのだ。
だれかに、見張られている。
きっと監視しているのは自分。
理想を実現させるために、追い詰めているのだ。
現実と理想。対の事象。
恐ろしい。夜が怖い。
だれかに殺されてしまうのではないか。
殺すのは、きっと自分なのだ。
夢を見た。
前に見た、憧れの、黒髪の人。
会いにいくと、取り込み中だった。
怖くなって逃げた。走って、走って。
彼は追いかけてきた。
そうして、強く、わたしをぎゅっと抱きしめたのだ。
彼は優しく、強く、はっきりと、大丈夫だよ、と告げた。
幻なのだ。
わかっていても、彼にもう一度会いたい。
わたしを連れていって。
脳はしっているのだ。求めているのだ。
でも、わたしは求めてはならないのだ。
この矛盾さえも、わたしを殺しているのだろう。