妹
妹がいる。
歳はかなり離れているけれど、またそれが可愛い。
さらさらで、ふわふわの毛。
大きな瞳、人懐こい性格。
全てが愛らしくて仕方ない。
遊んで!と、昼まで寝ているわたしを起こしに来たり。
窓辺の日向で寝転がっているわたしの側に来て、同じように寝てみたり。
なににでも興味津々で、すぐ追いかける。
家族みんなの、アイドルだ。
それは、骨になったいまでも。
あの日、わたしは首から下げていたマリア様をあげた。
おまえを守ってくれるよう祈っていたから、おまえが神様の元にむかったとき、きっとお側にいさせてくれるだろうと。
最後の日、いってらっしゃいと見送ってくれた君の姿は、消えることなくやきついている。
我々はあの子の全てを失ったわけではない。
今もここに、ありありと存在を表明している。
今も側にいるのだ。
シェリ、あの子の名前。
幸せを、願ってつけた名。
あの子は、幸せだったのだろうか。